その仕事は、朝集合場所である最寄りの駅に集まると、送迎バスに揺られて到着します。
遺跡発掘現場は、元々マンションを建てる予定で基礎を作るための地盤を掘り進んでいる途中に見つかる様です。
この時も現場監督の人が、普通に基礎を作る為に掘っていたら遺跡が出てきて作業中断と言っていました。
遺跡の発掘と言っても、みんなが皆かがんで小さなシャベルとかハケなどを持って細かい作業に従事する訳ではありません。
鍬の様な形状の、でも土の表面を薄くスライスする様にしか削れない器具を渡され、
それを使って延々土を少しずつ掘って行くだけの仕事です。
朝9時から夕方5時まで、途中10時とお昼と3時に休憩が入る以外はずっと、
その器具で土を掘るだけの仕事でした。
最初のうちは甘く見ていた作業でしたが、これがまた結構筋肉痛と言いますが身体に堪えます。
農作業などやった事のない都会の若者には若干厳しい作業です。
けれど、これで給料がもらえるんだからメッケもんだと思ってやらなきゃ〜!
という思いで削っていたのを思い出します。
結局私が働いている間に出土した発掘物は、黒曜石で出来た矢じりだけでしたが、
中々無い珍しい体験をしたと思います。