リーマンショック前、マンションの売り上げが好調だったとき、
マンションのモデルルームのサクラのバイトをしました。
そのモデルルーム内にはいくつかパーテーションで区切られた商談ルームがあり、
1つだけ立派な商談ルーム(VIPルーム)がありました。
サクラはVIPルームの中でセールスマンの話を聞きながら、
ほかのお客さんに聞こえるように
「へー」「そうなんですかー」「すごーい」
などと相槌を打つ仕事でした。
会話が飛び交っているだけでモデルルーム内の賑やかしになりますし、
何となく購買意欲が上がるんでしょうか。
サクラなので、お客さんがいないときは事務所で封入作業などをして、
お客さんが来たらいそいそとVIPルームに入って行って空虚な会話をしていました。
空虚な会話だったとはいえ、セールスマンの話は勉強になったこともありました。
その物件は川から離れているので、堤防が決壊しても浸水する恐れが少ない、地盤がよい、など、
その時聞いた知識は家を購入する際に多少参考になりそうです。
家を購入する前提で会話をするのは私にとって大変でしたが、
20歳の若造のサクラに賑やかしの営業トークを延々と続けるセールスマンのおじさんも、
さぞかし大変だっただろうな、と思います。