私は当時、とある有名お菓子会社のお菓子工場で働いた経験があります。
私はモンブランを作る機械の担当になりました。
全身真っ白ないでたち…真っ白な帽子、割烹着、専用の履き物などを履いて、
ローラーチェックと言ってローラーで髪の毛などを取り除いてから部屋に入ります。
パートのおばさんが2名ほどいて、指示を受けながら私達はカップケーキを定位置にひたすら置くという仕事をしていました。
最初、モンブランにかける生クリームがやわらか過ぎて、
綺麗な模様が機械で描けなかったのを見て、パートのおばさんが
「こんなの使えねぇよ!」
とビニール手袋をした手でそのクリームを掴んで機械の中に投げ入れているのを見て、
びっくりしてしまいました。
多分、お菓子が大好きな人は見てはいけない光景かな…と思いました。
そして、私達バイトの人達はひたすら何時間もカップケーキをシートの上に置いて、
それがどんどんベルトコンベアで流れていって、モンブランが出来上がるのです。
作った失敗作は、失敗作としてその工場の1階に安く売っていたのですが、
オバサンが生クリームを投げ入れるのを見てしまうと、それも買う気にはなれませんでした。