当時、私は京都でフリーターをしていました。
長期のアルバイトにはなかなか就けなかったので、短期・単発の仕事を斡旋してくれる派遣会社から仕事をもらい、日払いで賃金を受け取っていました。
夏の気配がしてきた6月のある日、単発の工場の仕事があるのでどうですかと派遣会社から電話がかかってきました。
承諾の旨を伝えて、いつもの集合場所に向かいました。
仕事の場所はどこかと特に聞かなかったのですが、市内だろうと思っていました。
10分が過ぎ、20分が過ぎるうちにずいぶん遠いなと思い始め、結局1時間ほどかかって仕事場に到着しました。
荷物を休憩室に置くと早速、工場の方から大まかな説明を受け、担当する仕事毎にグループに分けられました。
私のグループが担当した仕事は、クッションや毛布などを箱から出してベルトコンベアーの上に乗せて流し、
金属探知センサーを通過させて、もし反応があればより分け、また箱に詰め直すというものでした。
その仕事自体は別段大変なものではありませんでした。
私はどういう風にすれば効率的にこなせるかを考え、
あまり出しゃばらないように気をつけた上でグループの皆に指示というかアドバイスをしながら仕事をしていました。
どちらかというと皆は指示された仕事だけをのんびりとこなしていたので目立ったのでしょうか、
工場の方の目にとまり他のいろんな仕事も私に頼まれるようになりました。
私のグループの作業もしつつ頼まれれば別の作業もやって、
終わって戻って来たらまた別の作業をしに行かされるという具合で目の回る忙しさでした。
就業間近、別の方のミスなのになぜか私が怒られるというおまけまで付いて、どっと疲れた一日でした。