私が引越しのバイトをしたのは十九歳のことで、大学での遊ぶ金欲しさに始めました。
一ヶ月働きましたが、正直、かなりきつかったのを覚えています。
肉体的にはもちろんですし、精神的にもかなりきました。
というのも、引越しのバイトは運の要素もあるからです。
自分の会社は大体、一現場につきスリーマンセル、
つまり三人一組でバイトは一人、あとは正社員という形態を取っていたのですが、
そうなるとその正社員さんの人との相性によってその日一日の精神的苦痛が決まってしまうのです。
おおらかな社員さんに当たれば、その日は肉体的にきつくてもしのげます。
しかし、もしもヤンキーな社員さん、陰険な社員さんに当たってしまうと……、
その日一日は(生真面目な性格の私は)地獄とかします。
エレベーターのないアパートと一軒家でも、その違いは顕著に現れます。
実際、アパートのほうが数倍も作業的にきついのですが、
そうなった場合、優しくない社員さんはバイトを一人階段運びに置きます。
このように、全ては相性なのです。それはまぁ、どこの職場にもあることですが。