私は本が好きなので「一度出版業界で働いてみたい」という気持ちがありました。
その時にちょうど求人でみかけた2ヶ月の短期募集が、出版社の内勤営業という仕事でした。
時給1000円ですが、昼食付きで、しかも昼食時間でも時給が支払われるという会社でした。
従業員が15人くらいしかいない小規模の出版社で、オフィスはマンションの一室でした。
私が担当した営業は上司が1人と、同僚が2人、私を入れて計4人の部署でした。
その出版社で取り扱っている本は、主に経済・投資の本と、古い漫画の復刻本でした。
私は、経済や投資にまったく詳しくありませんでしたので、アルバイトとはいえよく採用されたと思っています。
仕事は単純明快で、基本的に書店への電話営業でした。
新規の店舗に電話したり、取引のある既存の店舗に電話したりして、
本を置いてもらうようにセールストークをします。
出版業界は不況にみまわれていて、
よほどの大型書店でないと置いてくれないということで、なかなか苦労しました。
それでも、上司の人が気分転換にラジオをつけて仕事をしたりしていたので、
あまり息が詰まるということもありませんでした。
職場の環境から仕事内容まで、
普通では体験でないようなことをこの出版社では経験させてもらいました。