学生のとき、週に3日ほど、あるテレビ局でアルバイトをしました。
業務推進部というところで、一体何をやっているのかよく分かりませんでした。
仕事はほとんどなく、時々、書類を届けに行ったり、アンケートのまとめをやらされるくらいでした。
とにかく暇で、仕事がないときは何をしていても良いと言われたので、ずっと文庫本を読んでいました。
でも周りの人たちは、忙しそうに働いています。
文庫に目を落としていても、気になって中々集中できません。
自分ひとり何もせず、肩身の狭い思いをしました。
自分から「何かお手伝いしましょうか」と申し出ても、
慣れない女子大生に任せられる仕事はないのか、
せいぜいコピー取りを頼まれるくらいで、
余計に申し訳ないような気持ちになりました。
結局1ヶ月ほどで辞めましたが、仕事がなく、
暇なことがこんなにツライとは思いませんでした。
1日が長くて、「ああ、まだ2時」「ああ、まだ2時半」と時計ばかり見てしまうのです。
人間、あまり暇なのは、かえって苦しいということを学びました。
いまでも、あのバイトは何だったんだろう…と思います。